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Diffstat (limited to 'system-boot/manpages/ja')
-rw-r--r--system-boot/manpages/ja/live-boot.ja.7229
-rw-r--r--system-boot/manpages/ja/persistence.conf.ja.5155
2 files changed, 384 insertions, 0 deletions
diff --git a/system-boot/manpages/ja/live-boot.ja.7 b/system-boot/manpages/ja/live-boot.ja.7
new file mode 100644
index 0000000..ec0a519
--- /dev/null
+++ b/system-boot/manpages/ja/live-boot.ja.7
@@ -0,0 +1,229 @@
+.\"*******************************************************************
+.\"
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
+.\"
+.\"*******************************************************************
+.TH LIVE\-BOOT 7 2015\-09\-22 5.0~a5\-1 "Live システムプロジェクト"
+
+.SH 名前
+\fBlive\-boot\fP \- システム起動構成要素
+
+.SH 説明
+\fBlive\-boot\fP はブートプロセス中 (早期ユーザ空間) に Live システムを設定する構成要素を収録しています。
+.PP
+.\" FIXME
+live\-boot は initramfs\-tools 用のフックで、例えば \fIlive\-helper\fP(7) で作成した Live
+システムをブートできる initramfs を生成するのに利用します。これには Live システムの ISO やネットワーク経由でブートするための
+tar アーカイブ、USB メモリ用のイメージ等があります。
+.PP
+.\" FIXME
+これはブート時に root ファイルシステム (squashfs 等圧縮ファイルシステムのイメージであることが多い)
+が置かれている「/live」ディレクトリを収録する (読み取り専用の) メディアを検索します。見つけた場合は aufs
+を使って書き込み可能な環境を作成してシステムを起動します。
+
+.SH 設定
+\fBlive\-boot\fP はブートパラメータまたは設定ファイル経由で設定できます。
+.PP
+Live イメージで利用されるデフォルトの live\-boot パラメータを設定する場合は \fIlb_config\fP(1) マニュアルページの
+\-\-bootappend\-live オプションを見てください。
+
+.SS カーネルパラメータ
+\fBlive\-boot\fP はカーネルパラメータとして「boot=live」が利用された場合にのみ有効になります。
+.PP
+さらに、挙動に影響するブートパラメータが他にもいくつかあります。下記を見てください。
+
+.SS 設定ファイル
+\fBlive\-boot\fP は設定ファイルを利用して設定 (但し有効化しない) できます。この設定ファイルは root ファイルシステム自体
+(/etc/live/boot.conf、 /etc/live/boot/*)、または Live メディア (live/boot.conf、
+live/boot/*) に配置できます。
+
+.SH オプション
+.\" FIXME
+\fBlive\-boot\fP では以下のパラメータが現在有効です。
+.IP \fBaccess\fP=\fIアクセス\fP 4
+物理的または視覚的に障害のあるユーザ向けのアクセシビリティレベルをセットします。\fIアクセス\fPに入るのは v1、v2、v3、m1、m2
+のどれかでないといけません。v1=軽度の視覚障害、 v2=中程度の視覚障害、 v3=盲目、 m1=運動神経に些細な難あり、
+m2=運動神経に中程度の難あり。
+.IP \fBconsole\fP=\fITTY,速度\fP 4
+「live\-getty」オプションで利用するデフォルトのコンソールをセットします。例: 「console=ttyS0,115200」
+.IP \fBdebug\fP 4
+initramfs ブートプロセスの出力をもっと冗長にします。
+.br
+debug=1 としてください
+.br
+debug に値をセットしないとメッセージは表示されないかもしれません。
+.IP \fBfetch\fP=\fIURL\fP 4
+.IP \fBhttpfs\fP=\fIURL\fP 4
+指定した URL から squashfs イメージをダウンロードしてネットワーク経由でブートする別のやり方で、この取得方法ではイメージを RAM
+にコピーし、httpfs を使う方法では FUSE と httpfs2 を使ってイメージを適切な位置にマウントします。RAM
+へのコピーにはさらに多くのメモリが必要で、大きなイメージでは多少時間がかかるかもしれません。しかしその後はネットワークを必要としないため正常に動作する可能性が高くなり、それ以上サーバとやりとりする必要がないためブート後はそのシステムは高速に動作します。
+.br
+busybox の現在の wget 及び DNS 解決の制限のために URL にはホスト名を使えず、IPアドレスにしか対応していません。
+.br
+機能しない: http://example.com/path/to/your_filesystem.squashfs
+.br
+機能する: http://1.2.3.4/path/to/your_filesystem.squashfs
+.br
+また、そのため httpd の名前ベースのバーチャルホストからイメージを取得することは、httpd
+のそのホストの設定で同一のIPアドレスを共有している場合は現在不可能であることにも注意してください。
+.br
+また、squashfs イメージの適切な位置にある Live ISO イメージも利用できます。
+.IP \fBiscsi\fP=\fIサーバのIPアドレス[,サーバのポート];対象の名前\fP 4
+LUN (Logical Unit Number、論理ユニット番号) が iso またはディスクの Live イメージを指している iSCSI
+ターゲットからのブートで、指定されたターゲットは LUN のうち Live メディアらしきものから検索されます。\fBiscsitarget\fP
+ソフトウェアを使って iSCSI ターゲットを判定している場合の ietd.conf はこのようになります:
+.br
+# iscsi= パラメータで指定したターゲットの名前
+.br
+Target <ターゲットの名前>
+ Lun 0 Path=<live\-image.iso のパス>,Type=fileio,IOMode=ro
+ # 複数のマシンのブートに使いたい場合は
+ # Wthreads や MaxConnections のような一部の
+ # パラメータを調整してみるのもいいかもしれません。
+.IP \fBfindiso\fP=\fI/イメージ/への/パス\fP 4
+\&.squashfs ファイルを通常検索する位置にある全ディスクから、指定した ISO ファイルを検索します (そのため
+fromiso=... で指定するデバイス名を知っている必要はありません)。
+.IP \fBfromiso\fP=\fI/イメージ/への/パス\fP 4
+Live メディア上で利用可能な ISO イメージ内からファイルシステムを利用できるようにします。
+.IP \fBignore_uuid\fP 4
+検出したメディアに合う initramfs に埋め込まれた UUID の確認を一切行いません。initramfs のビルド時に
+LIVE_GENERATE_UUID=1 を設定して UUID を生成するように live\-boot に指示しているかもしれません。
+.IP \fBverify\-checksums\fP 4
+指定するとブート中に Live メディアの MD5 サムを計算し、その Live メディアのルートディレクトリにある md5sum.txt
+中の値と比較します。
+.IP "\fBip\fP=[\fIデバイス\fP]:[\fIクライアントのIPアドレス\fP]:[\fIネットマスク\fP]:[\fIゲートウェイのIPアドレス\fP]:[\fIネームサーバ\fP] [,[\fIデバイス\fP]:[\fIクライアントのIPアドレス\fP]:[\fIネットマスク\fP]:[\fIゲートウェイのIPアドレス\fP]:[\fIネームサーバ\fP]]" 4
+ブート時に設定するインターフェイスの名前とオプションを指定できます。dhcp (デフォルト)
+を使いたい場合は指定しないでください。将来のリリースでは公式のカーネルブートパラメータの仕様に倣って変更される (例えば
+ip=10.0.0.1::10.0.0.254:255.255.255.0::eth0,:::::eth1:dhcp) かもしれません。
+.IP \fBip\fP=[\fI読み込み元メディア\fP] 4
+この変数をセットすると dhcp 及び固定のネットワーク設定は単に飛ばされ、システムはメディアで事前に設定されている (設定されていないといけません)
+/etc/network/interfaces を代わりに利用します。
+.IP {\fBlive\-media\fP|\fBbootfrom\fP}=\fIデバイス\fP 4
+この2つは等価で、どちらかを指定すると live\-boot
+はまずこのデバイスについて読み取り専用のルートファイルシステムが存在するであろう「/live」ディレクトリを検索します。それで使えそうなものが見つからない場合は通常のブロックデバイスの走査が行われます。
+.br
+実際のデバイス名を指定する代わりに「removable」というキーワードを使って、検索対象とする Live
+メディアを脱着可能なものだけに限定することができます。メディアを USB
+大容量記憶装置だけにさらに限定したい場合は「removable\-usb」というキーワードを使えることに注目してください。
+.IP {\fBlive\-media\-encryption\fP|\fBencryption\fP}=\fI暗号化の種類\fP 4
+live\-boot はパスフレーズを質問することで暗号化する種類の rootfs をマウントできます。凝った Live システムをビルドするのに有用です
+:\-)。これまでのところサポートしているのは loop\-aes 暗号化を指示する「aes」です。
+.IP \fBlive\-media\-offset\fP=\fIバイト数\fP 4
+このようにして、上記で指定したまたは自動検出したデバイスの、指定バイト数だけずれた位置からイメージが開始することを live\-boot
+に指示できます。他の ISO やイメージの中にある Live システムの ISO
+やイメージを見えないようにして「クリーン」なイメージを作成するのに有用かもしれません。
+.IP \fBlive\-media\-path\fP=\fIパス\fP 4
+メディア上の Live
+ファイルシステムへのパスをセットします。このデフォルト値は「/live」で、合わせてメディアを独自化していない限りこの値を変更すべきではありません。
+.IP \fBlive\-media\-timeout\fP=\fI秒数\fP 4
+「live\-media=」により指定したデバイスがその処理をあきらめるまでの制限時間を秒数で指示します。
+.IP \fBmodule\fP=\fI名前\fP 4
+デフォルトとなっているオプションのファイル「filesystem.module」(以下参照)
+を使う代わりに別のファイルを拡張子「.module」を外して指定することができます。これは Live
+メディアの「/live」ディレクトリに配置すべきです。
+.IP \fBnetboot\fP[=nfs|cifs] 4
+ネットワークマウントを行うことを live\-boot に指示します。(オプションの「nfsopts=」で)
+パラメータ「nfsroot=」によりルートファイルシステムが置かれている場所を指定します。引数を付けない場合はまず cifs
+を試し、それが失敗した場合は nfs を試します。
+.IP \fBnfsopts\fP= 4
+これを使って nfs オプションを指定できます。
+.IP \fBnofastboot\fP 4
+このパラメータは /etc/fstab
+にあるファイルシステムのチェックがデフォルトで無効化されているのを無効にします。ハードディスクに静的ファイルシステムがあり、ブート時にそれをチェックさせたい場合はこのパラメータを使ってください。使わない場合はファイルシステムのチェックは飛ばされます。
+.IP \fBnopersistence\fP 4
+「保持 (persistence)」機能を無効化します。ブートローダ (syslinux のようなもの)
+が保持機能を有効にしてインストールされている場合に有用です。
+.IP \fBnoeject\fP 4
+Live メディアを取り出すかどうか確認しません。
+.IP \fBramdisk\-size\fP 4
+このパラメータにより独自の RAM ディスクサイズ (tmpfs マウント時の「\-o サイズ」オプション) をセットできます。デフォルトでは RAM
+ディスクサイズはセットされていないため、マウント時のデフォルト値が適用されます (現在は利用可能な RAM の 50%)。toram
+を指定してブートした場合、このオプションは現在のところ効果がないことに注意してください
+.IP \fBswap=true\fP 4
+このパラメータはローカルのスワップパーティションの利用を有効にします。
+.IP \fBpersistence\fP 4
+live\-boot は保持用メディアのデバイスを調査します。このデバイスにはパーティション (GPT (GUID Partition
+Table、GUIDパーティションテーブル) の名前を正しく指定) やファイルシステム (ラベルの名前を正しく指定)、イメージファイル
+(ファイル名を正しく指定) を使えます。保存先は「persistence」(\fIpersistence.conf\fP(5) 参照)
+という名前/ラベルになります。保存先のイメージファイルは「persistence」という名前になります。
+.IP "\fBpersistence\-encryption\fP=\fI種類1\fP,\fI種類2\fP ... \fI種類n\fP" 4
+このオプションは保持用メディアのデバイス調査時に利用を許可する暗号化の種類を決定します。「none」が一覧にある場合は暗号化されていないメディアを許可します。「luks」が一覧にある場合は
+LUKS
+により暗号化されているメディアを許可します。暗号化されているメディアがデバイスにある場合はそのメディアの調査時にパスフレーズをユーザに質問します。デフォルト値は「none」です。
+.IP \fBpersistence\-media\fP={\fIremovable\fP|\fIremovable\-usb\fP} 4
+「removable」というキーワードを指定すると、live\-boot は保持用パーティションを脱着可能なメディアからのみ検索します。メディアを USB
+大容量記憶装置だけにさらに限定したい場合は「removable\-usb」というキーワードを使えることに注目してください。
+.IP "\fBpersistence\-method\fP=\fI種類1\fP,\fI種類2\fP ... \fI種類n\fP" 4
+このオプションは許可する保持用メディアの種類を決定します。「overlay」が一覧にある場合はオーバーレイと見なします
+(つまり「live\-rw」と「home\-rw」)。デフォルト値は「overlay」です。
+.IP \fBpersistence\-path\fP=\fIパス\fP 4
+live\-boot
+は保持用ファイルをパーティションのルートディレクトリから検索します。このパラメータを使ってパスを設定すると同一のパーティションの複数のディレクトリを保持用ファイルの保管先にできます。
+.IP \fBpersistence\-read\-only\fP 4
+ファイルシステムの変更は保持用メディアには残されません。特にオーバーレイとネットワーク経由のブート用の NFS
+マウントは読み取り専用でマウントされます。
+.IP "\fBpersistence\-storage\fP=\fI種類1\fP,\fI種類2\fP ... \fI種類n\fP" 4
+このオプションは保持用メディアの調査時に対象とする保持用記憶装置の種類を決定します。「filesystem」が一覧にある場合はラベルが該当するファイルシステムを利用します。「file」が一覧にある場合は全ファイルシステムについてファイル名が該当するアーカイブやイメージファイルを調査します。デフォルト値は「file,filesystem」です。
+.IP \fBpersistence\-label\fP=\fIラベル\fP 4
+live\-boot
+は保持用記憶装置の検索時に「persistence」の代わりにここで指定した「ラベル」を使います。「ラベル」はファイル名やパーティションのラベル、GPT
+の名前として有効な任意のものを使えます。
+.IP \fBnoeject\fP 4
+このオプションを使うと live\-boot はメディアを取り出さず、ブート用メディアを削除するかユーザに質問することもなくリブートします。
+.IP \fBshowmounts\fP 4
+このパラメータを使うと live\-boot は「/」で「/lib/live」上の (ほとんどの場合圧縮されている) ro
+ファイルシステムを提示します。これはインストール時にバイナリのパスを記憶する「mono」のようなアプリケーションで問題を起こす可能性があるためデフォルトでは有効にされていません。
+.IP \fBsilent\fP 4
+通常の quiet パラメータを付けてブートすると live\-boot
+が出すほとんどのメッセージを非表示にします。「silent」を付けると全て非表示にします。
+.IP \fBtodisk\fP=\fIデバイス\fP 4
+このパラメータを追加すると、live\-boot
+はルートファイルシステムをマウントする前に読み取り専用メディア全体を指定したデバイスにコピーしようとします。これには恐らく多くの RAM
+が必要となります。以後のブートではこの段階を飛ばして、今回そのデバイスで使ったのと同一の「live\-media=デバイス」ブートパラメータを単に指定するようにしてください。
+.IP \fBtoram\fP 4
+このパラメータを追加すると、live\-boot はルートファイルシステムをマウントする前に読み取り専用メディア全体をそのコンピュータの RAM
+にコピーしようとします。その読み取り専用メディアで利用している容量により、これには多くの RAM が必要となるかもしれません。
+.IP \fBunion\fP=overlay|aufs 4
+.\" FIXME
+デフォルトで live\-boot は overlay を利用します。このパラメータにより aufs に切り替えることができます。
+
+.\" FIXME
+.SH "ファイル (古い情報)"
+.IP \fB/etc/live.conf\fP 4
+一部の変数はこの (Live システム中の) 設定ファイルにより設定できます。
+.IP \fBlive/filesystem.module\fP 4
+.\" FIXME
+この (Live メディア内の)
+オプションのファイルは「/live」ディレクトリ中のディスクイメージに対応するファイル名を空白文字または復帰文字で区切った一覧を収録します。このファイルが存在する場合はその中の一覧にあるイメージだけがルート
+aufs に統合され、その一覧の順に読み込まれます。このファイルの最初の項目が /overlay 直下で aufs
+の「最下位の」マウントポイント、この一覧の最後のファイルが /overlay 直下で aufs
+の「最上位の」マウントポイントとなります。このファイルがない場合は「/live」ディレクトリにあるイメージを英数字順に読み込みます。
+
+.SH ファイル
+.IP \fB/etc/live/boot.conf\fP 4
+.IP \fB/etc/live/boot/*\fP 4
+.IP \fBlive/boot.conf\fP 4
+.IP \fBlive/boot/*\fP 4
+.IP \fBpersistence.conf\fP 4
+
+.SH 関連項目
+\fIpersistence.conf\fP(5)
+.PP
+\fIlive\-build\fP(7)
+.PP
+\fIlive\-config\fP(7)
+.PP
+\fIlive\-tools\fP(7)
+
+.SH ホームページ
+live\-boot 及び Live
+システムプロジェクトについてのさらなる情報は、<\fIhttp://live\-systems.org/\fP> のホームページや
+<\fIhttp://live\-systems.org/manual/\fP> のマニュアルにあります。
+
+.SH バグ
+バグは <\fIhttp://bugs.debian.org/\fP> にあるバグ追跡システムに live\-boot
+パッケージのバグ報告として提出するか、<\fIdebian\-live@lists.debian.org\fP> にある Live
+システムのメーリングリスト宛てにメールを書くことにより報告できます。
+
+.SH 作者
+live\-boot は Daniel Baumann さん <\fImail@daniel\-baumann.ch\fP> により書かれました。
diff --git a/system-boot/manpages/ja/persistence.conf.ja.5 b/system-boot/manpages/ja/persistence.conf.ja.5
new file mode 100644
index 0000000..4a4fde9
--- /dev/null
+++ b/system-boot/manpages/ja/persistence.conf.ja.5
@@ -0,0 +1,155 @@
+.\"*******************************************************************
+.\"
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
+.\"
+.\"*******************************************************************
+.TH LIVE\-BOOT conf 2015\-09\-22 5.0~a5\-1 "Live システムプロジェクト"
+
+.SH 名前
+\fBpersistence.conf\fP \- live\-boot 状態保持用メディアの設定ファイル
+
+.SH 説明
+live\-boot が「persistence」というラベル (GPT の名前やファイル名も含みますがここからは「ラベル」と呼びます)
+を付けられた保持用ボリュームを調査するとき、そのボリュームの保持方法はそのファイルシステムの最上部に置かれた \fBpersistence.conf\fP
+ファイルにより全面的に独自化できます。こういったラベルを付けられたボリュームにはそういったファイルがないといけません。ない場合は無視します。
+.PP
+\fBpersistence.conf\fP の形式では空行や「#」で始まる行 (コメント用)
+を両方とも利用でき、そういった行は解釈されず無視されます。いわゆる「独自マウント」は
+.PP
+.RS
+\fIディレクトリ\fP [\fIオプション\fP]...
+.RE
+.PP
+の形式で、大まかに言い換えると「\fIオプション\fP一覧により指示した方法で\fIディレクトリ\fPを保持する」ということになります。
+.PP
+独自マウントそれぞれについて\fIディレクトリ\fPには絶対パスを使う必要があり、空白文字や特別なパスである「.」や「..」を含めること、/live
+(やそのサブディレクトリ) を使うことはできません。Live ファイルシステムの\fIディレクトリ\fPに対するあらゆる変更 (ファイルの削除や作成、変更)
+はそれを有効にした段階でソースディレクトリと呼ばれる保持用メディアの\fIディレクトリ\fPに相当するパスに持続的に保管されます。保持を実現するデフォルトの方法は対応するソースディレクトリを\fIディレクトリ\fPに対して単純にバインドマウントする方法ですが、これは\fIオプション\fPを使うことで変更できます。
+.PP
+独自マウントは全て順番に行われるため、2つの独自マウントで互いに「隠す」ようなことはできません。例えば2つの\fIディレクトリ\fP /a と /a/b
+があるとすると、この場合は常にまず /a がマウントされ、それから /a/b がマウントされます。これは \fBpersistence.conf\fP
+の他の行の順を問わず成り立ち、異なる保持用メディアにある複数の \fBpersistence.conf\fP
+ファイルを同時に使う場合でも同様です。しかし、独自マウントではソースディレクトリを別の独自マウントのソースディレクトリ内にすることは禁止されているため、live\-boot
+により自動生成されたソースディレクトリは同一のメディアでの /a と /a/b のような「入り組んだ」マウントをサポートしません。この場合は
+\fBsource\fP オプション (以下参照) を使い、対象ディレクトリが必ず異なるソースディレクトリにあるようにしないといけません。
+.PP
+特定の独自マウントのソースディレクトリが保持用メディアに存在しない場合は自動的に作成され、その\fIディレクトリ\fPにふさわしい権限と所有がセットされます。\fIディレクトリ\fPの内容を保持用メディアのソースディレクトリにコピーすることでもこの自動処理は行われます。\fBlink\fP
+や \fBunion\fP オプション (以下参照) を使った場合はこの自動処理は行われません。
+
+.SH オプション
+\fBpersistence.conf\fP で定義する独自マウントでは以下のオプションをコンマで区切った一覧の形で受け付けます:
+.IP \fBsource\fP=\fIパス\fP 4
+指定した場合は保持用メディアの\fIパス\fPに保持内容の変更を保管します。\fIパス\fPは (その保持用メディアのルートからの)
+相対パスを使う必要があり、空白文字や特別なパスである「.」や「..」については、「.」だけが単体で使われたときにはその保持用メディアのルートを指しますが、その例外を除いて含めることができません。このオプションが関連するのはほとんどが、これ以外ではエラーを引き起こす入り組んだ独自マウントにしたい場合、またはメディア全体のルートを利用できるようにしたい場合です
+(現在では非推奨となっている \fBhome\-rw\fP という種類の保持に似ています)。
+.PP
+以下のオプションは相互に排他です (効果があるのは最後に指定したものだけです):
+.IP \fBbind\fP 4
+ソースディレクトリを\fIディレクトリ\fPにバインドマウントします。これはデフォルトです。
+.IP \fBlink\fP 4
+ソースディレクトリのディレクトリ構造を保持用メディアの\fIディレクトリ\fPに作成し、\fIディレクトリ\fPの対応する位置からソースディレクトリの各ファイルに向けてシンボリックリンクを作成します。リンクと同一名の既存のファイルやディレクトリは全て上書きされます。\fIディレクトリ\fP内にあるリンクの削除はリンクを削除するだけで、ソースの対応するファイルは削除しないことに注意してください。削除したリンクは再起動後には再び現れます。ファイルを恒久的に追加、削除するにはソースディレクトリで直接その作業を行わないといけません。
+.IP
+事実上、\fBlink\fP
+は既にソースディレクトリにあるファイルだけを保持し、\fIディレクトリ\fPにあるそれ以外のファイルは保持しません。保持するファイルをこのオプションの対象とするには手作業によりソースディレクトリに追加する必要があり、そうすることで\fIディレクトリ\fPに、既にそこにあるファイルに加えて現れるようになります。このオプションは特定のファイルだけを保持する必要があり、それがあるディレクトリ全体が必要ではない場合、例えばユーザのホームディレクトリにある設定ファイルの一部を保持する場合に有用です。
+.IP \fBunion\fP 4
+結合ファイルシステムの rw
+ブランチを保持用メディアに保存するため、変更点だけを持続的に保管します。バインドマウントと比較するとこの方法は潜在的にディスク使用量を減らせる可能性があり、また読み取り専用メディアに追加したファイルを隠しません。1つ注意があり、結合後に実際のファイルシステムのルートではなくイメージの読み取り専用ファイルシステムから\fIディレクトリ\fPを使うため、(例えば
+live\-config により) ブート後に作成されたファイルは結合後には見えなくなります。このオプションは live\-boot の \fBunion\fP
+ブートパラメータにより指定された結合ファイルシステムを使います。
+
+.SH ディレクトリ
+.IP \fB/live/persistence\fP 4
+保持用ボリュームは全てここで (デバイス名に対応するディレクトリで) マウントされます。\fBpersistence.conf\fP
+ファイルはこのマウントや任意のソースディレクトリから (\fBlink\fP オプションを使った独自マウントではこちらが特に実用的) 簡単に編集できます。
+
+.SH 例
+
+保持用ボリューム \fIVOL\fP があり、その \fBpersistence.conf\fP ファイルに以下の4行を収録しているものとしましょう
+(番号は参照しやすいように付加しています):
+.TP 7
+1.
+/home/user1 link,source=config\-files/user1
+.TP
+2.
+/home/user2 link,source=config\-files/user2
+.TP
+3.
+/home
+.TP
+4.
+/usr union
+.PP
+それぞれに対応するディレクトリ:
+.TP 7
+1.
+\fIVOL\fP/config\-files/user1 (ただし \fBsource\fP オプションを指定しない場合は \fIVOL\fP/home/user1)
+.TP
+2.
+\fIVOL\fP/config\-files/user2 (ただし \fBsource\fP オプションを指定しない場合は \fIVOL\fP/home/user2)
+.TP
+3.
+\fIVOL\fP/home
+.TP
+4.
+\fIVOL\fP/usr
+.PP
+1と2の例では \fBsource\fP オプションをセットする必要があります。そうしないと3のソースと入り組んでしまい不正となるためです。
+.PP
+1行目と2行目の独自マウントが3行目によって隠されるのを回避するため3行目は1行目と2行目よりも先に処理されます。3行目が処理された時点で
+\fIVOL\fP/home は単純に /home
+に対してバインドマウントした状態になります。1行目と2行目で起きたことを説明するため、以下のファイルが存在するとしましょう:
+.TP 7
+a.
+\fIVOL\fP/config\-files/user1/.emacs
+.TP
+b.
+\fIVOL\fP/config\-files/user2/.bashrc
+.TP
+c.
+\fIVOL\fP/config\-files/user2/.ssh/config
+.PP
+それにより作成されるリンクやディレクトリ:
+.TP 7
+リンク:
+/home/user1/.emacs \-> \fIVOL\fP/config\-files/user1/.emacs (a の場合)
+.TP
+リンク:
+/home/user2/.bashrc \-> \fIVOL\fP/config\-files/user2/.bashrc (b の場合)
+.TP
+ディレクトリ:
+/homea/user2/.ssh (c の場合)
+.TP
+リンク:
+/home/user2/.ssh/config \-> \fIVOL\fP/config\-files/user2/.ssh/config (c の場合)
+.PP
+別の主張があるかもしれませんが、上記の \fBpersistence.conf\fP ファイルの例では3行目が既に /home
+の全てを保持対象としているため1行目と2行目は不要です。\fBlink\fP
+オプションはディレクトリ全体を保持したいのではなく、そのディレクトリ中やサブディレクトリにある特定のファイルを保持したいという状況を対象としています。
+.PP
+4行目はその\fIディレクトリ\fP (とソースディレクトリ)
+が他のどの独自マウントとも完全に分離しているためいつでもマウントできます。マウントすると、\fIVOL\fP/usr は \fBunion\fP
+オプションが指定されているため rw
+ブランチになり、元の読み取り専用ファイルシステムと比較した差分だけが収録されます。そのため、バインドマウントと比較すると容量の面で非常に効率良くパッケージを
+/usr にインストールできます。これは後者では初期の自動処理で /usr 全体を \fIVOL\fP/usr にコピーする必要があるためです。
+
+.SH 関連項目
+\fIlive\-boot\fP(7)
+.PP
+\fIlive\-build\fP(7)
+.PP
+\fIlive\-config\fP(7)
+.PP
+\fIlive\-tools\fP(7)
+
+.SH ホームページ
+live\-boot 及び Live
+システムプロジェクトについてのさらなる情報は、<\fIhttp://live\-systems.org/\fP> のホームページや
+<\fIhttp://live\-systems.org/manual/\fP> のマニュアルにあります。
+
+.SH バグ
+バグは <\fIhttp://bugs.debian.org/\fP> にあるバグ追跡システムに live\-boot
+パッケージのバグ報告として提出するか、<\fIdebian\-live@lists.debian.org\fP> にある Live
+システムのメーリングリスト宛てにメールを書くことにより報告できます。
+
+.SH 作者
+live\-boot は Daniel Baumann さん <\fImail@daniel\-baumann.ch\fP> により書かれました。